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執筆者の写真fukmeibo

6月30日第1回控訴審報告

更新日 07/03


◆門前集会


◆裁判官に結審宣告された後、外は雨が降っていた。



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6月30日第1回控訴審の報告を書いてくださいと頼みましたら、荒木さんと脇さんが書いてくださいました。お二人の違いが面白いので両方読んでください。


★脇さんの6月30日第1回控訴審報告

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名簿裁判控訴審第1回口頭弁論期日の報告

                    自衛隊名簿提供訴訟団 脇 義重


 午後2時から福岡高等裁判所1015号法廷で、第1回口頭弁論が開かれました。

裁判長は、控訴人の欠席者は出席したものと見做すと言い、提出された控訴人らと被控訴人それぞれから提出された書類の確認を行いました。

 その後、控訴人の大塚龍昇さんと脇がそれぞれ15分程度の時間で、口頭で意見陳述を行いました。

 その直後、裁判長は突然結審を宣告し、判決を10月4日(水)午前11時から言い渡すと宣言しました(後刻書記官から「1015号法廷で」と聞きました)。控訴人は「それはおかしい」と立ち上がり抗議し、「訴訟にとっては、書証だけではなく人証に依ることも不可欠です。被控訴人らは地裁審議と同様なことだと却下を主張していますが、我が国の裁判は三審制を採っています。そのなかで上級審ではより慎重な審理が行われるべきとの審級の利益が生かされるべきです」と主張しました。しかし、裁判長は「裁判所も証人喚問は必要ないと考えている」と述べ、「結審・判決」を繰り返し、退廷しようとしました。そこで、控訴人は、このような訴訟指揮は不服であるとして裁判官忌避を口頭で申し立てました。また、控訴人らの控訴審準備書面(2)への反論は被控訴人からはなされていません。

 口頭弁論に先立って、午後1時から、裁判所前の公園前で、事前の集会が開かれました。集会では、2023年3月8日の福岡地裁不当判決から、控訴状と控訴理由書、二つの控訴審準備書面と証拠書証、被控訴人からは答弁書と準備書面などの摘要一覧表が配布され、控訴人から本日の期日への準備と意義について、報告をうけました。また、森あやこ市議、太宰府市議の報告を受けました。

また、口頭弁論が終わったのち、参加者で今後にむけて懇談し、8月5日(土)13:00~15:00で「名簿裁判学習会」を開き名簿裁判の残された課題学習と今後の運動の方向性について話し合うことにしました。詳細は後程。


★荒木さんの6月30日第1回控訴審報告

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2023年6月30日(金)第1回控訴審裁判報告

自衛隊名簿提供訴訟団 荒木龍昇


 大雨になるという天気予報でしたが、門前集会が始まる午後1時は雨がやみ、約20人の参加で門前集会をしました。脇さんから3月30日の第1審の不当判決を受けての控訴の手続き等その後の動きについて報告がありました。森議員からの福岡市の状況についての報告後、太宰府市議員から、「西日本新聞が5月11日付けの名簿提供問題を報じたことを受けて、太宰府市でもでは除外申請ができるようにした・しかし、実施機関が1ヶ月しかないことを議会で問題にしたことから、7月いっぱいまで伸びた。今後は他の議員とともに自衛隊への名簿提供問題についてチラシを作るなどの情宣することを考えている。」との報告がありました。

 控訴審では27名が傍聴に来ており、市からも4人が来ていました。脇さんと荒木が意見陳述を行いました。控訴審は意見地述の後、裁判長は証人尋問は必要とないとした上、いきなり10月4日に判決を出す旨言って裁判を終わろうとしました。脇さんの抗議、脇さんから裁判官の忌避の声に耳を貸さずに退席。被告市の代理人は原告の準備書面(1)の反論の準備書面を前日29日に届け、原告の準備書面(2)については被告の反論がないまま控訴審を終了させた不当な裁判進行でした。

 その後会場を移動し今後の取り組みを協議しました。裁判官の忌避を申し立てることを確認し、8月5日(土)13時から15時に裁判についての学習会と判決後の運動を見据えた取り組みについて意見交換をすることにしました。いかなる判決が出ても、名簿提供させない運動を継続し、他都市にも広げていくことが必要だと参加者で共有しました。8月5日の学習会・意見交換会について参加希望者は荒木(090-3602-3842)までご連絡ください。


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荒木さんが「6月30日第1回控訴審」の傍聴案内をご自身のFaceBookに載せられましたが、この裁判の意味がよく分かりますので読んでください。


★荒木さんの6月30日第1回控訴審案内

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 2020年6月に18歳22歳の市民の個人情報が自衛隊に似提供され始めました。私たちは住民監査請求を行い、住民訴訟を提訴しています。今年3月30日に第一審の判決が出されましたが、福岡市の主張を追認する不当な判決でした。私たちは控訴し、6月30日午後2時に第2審の裁判が始まります。

 名簿提供訴訟の論点は➀地方自治の視点、➁監視社会が進む中で個人情報の保護の視点、➂憲法の平和主義の視点、が主たる争点です。

地方自治は憲法第92条から94条に定められており、独立した法人であり国の下部機関ではありません。地方分権改革によって機関委任事務が廃止され地方自治体と国は対等な関係が確認されました。国が地方自治体に事務を委任する時は法律に明記しなければなりません。地方自治体は国の恣意的な権力支配に対峙する民主主義的統治機構として設置されています。

福岡市は「住民の福祉の増進を図る」という地方自治の本旨に則り、住民の権利利益を擁護する責務があります。住民は行政サービスを受けるために個人情報を提供しており、厳格に保護されなければならなりません。自衛官の募集は国の事務であり、名簿がなければ募集できない事実はなく、本人の同意なく自衛隊に名簿を提供することは地方自治に反します。

また、市は法定受託事務と言っていますが、その根拠は薄弱で、自衛隊法政令120条の「資料」を「名簿」と恣意的に判断していることは問題です。また名簿提供に当たって福岡市個人情報保護審議会に諮ったこと、また名簿提供についての国の通知は「技術的助言」としていることからも法定受託事務でないことは明らかです。

次に、個人情報保護法及び個人情報保護条例では目的外利用は原則禁止されています。目的外利用する時は本人の同意ないしは相当な理由が必要です。自衛官募集に名簿がなければ募集できない事実はなく、ポスティングに使用することが相当な理由にあたるとは考えられません。更に、自衛隊の主たる業務は戦闘行為であり、2015年の戦争法成立後海外での戦闘する蓋然性が高まっており、自衛隊に入隊することは生命の危険を伴う恐れが高くなっています。ところが被告は自衛隊の業務が生命の危険を伴う恐れがあることについて本人が認知しているかを確認しておらず権利利益を侵害し法律に違反しています。

最後に原判決では「憲法前文は具体的権利を保障するものと解することは困難」、また第9条につて「国家の統治機構又は統治活動についての公法的な規範であり、国民の私法的な権利を直接保障したものではない」としています。しかし、名古屋高裁判決は「法規範性を有するというべき憲法前文が『平和のうちに生存する権利』を明言している上に,憲法9条が国の行為の側から客観的制度として戦争放棄や戦力不保持を規定し,さらに,人格権を規定する憲法13条をはじめ,憲法第3章が個別的な基本的人権を規定していることからすれば,平和的生存権は,憲法上の法的な権利として認められるべきである。」と判示し、平和を憲法の基本的人権を保障する基盤という形で具体的に捉えています。

 今回の福岡市が自衛隊へ同意を得ない名簿を提供した行為は、EU一般データ保護規則から見ると考えられないことであり、日本の個人情報保護が国際的に見ても極めて問題であると言えます。

以上、不当判決に抗議するとともに、控訴しています。


◆7月の街頭行動(定例、毎月第4水曜日に実施)◆

日時:7月26日(水)16時~17時

場所:JR香椎駅前(福岡市東区)


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