2021年7月18日
監査請求人 脇 義重
監査請求人 大塚龍昇
福岡市個人情報自衛隊名簿提供監査請求意見陳述の様子
2021年7月14日、福岡市監査室で標記の監査請求意見陳述が行われました。その様子をお届けします。なお、8月3日までに監査結果が出て、請求人に通知されます。
請求人2名の意見陳述
1.監査請求人 脇 義重 の意見陳述
用意した「福岡市職員措置請求意見陳述の控書き」(資料参照)を読み上げました。その骨子を記します。
「6月4日の福岡市職員措置請求書記載の主張に、以下のように本件行為の違法性・不当性を追記する」。
① 上記の名簿提供は法定受託事務ではない。(地方分権一括法違反)
② 本人に知らせず、同意がないまま名簿を提供し、個人の基本的人権を侵害した。(憲法13条違反)
③ 住民の福祉増進という地方自治の本旨に逆行した行為である。(地方自治法第1条の2違反)
④ 個人の権利利益を保護するという法の趣旨を没却した。(個人情報保護法第1条違反)
⑤ 個人の権利利益を保護するという条例の趣旨を没却した。(福岡市個人情報保護条例違反)
⑥ 髙島市長の「自衛隊に名簿を渡すことは公益性に適う」旨の発言について、自衛隊の沿革と自衛隊違憲判決を示し、反論する。
⑦ 福岡市政だより2020年4月15日号の記載文への反論
⑧ 結論
・地方自治法の条規文を記す。第148条と第232条第1項
⑨ ・福岡市ホームページより、2016年7月7日福岡市監査結果「日本の建国をお祝いする集いへの市長出席等について」中10ページの「2監査委員の判断より」文面を抜粋・引用する。
「すなわち、地方公共団体の長が行った行為について要した経費を当該地方公共団体がその公金から支出することが許されるのは、当該行為が当該地方公共団体の事務と認められる場合に限られるものである。」
⑩ 補充意見のまとめ
・今回福岡市が行った福岡市民情報を名簿にして自衛隊に渡した行為は、上記ア、本件行為の違法性・不当性で示したとおり、違憲・違法・不当な行政行為であり,憲法や法令によって根拠を成すところの地方公共団体の事務とは認められない。
・会計支出行為が下級機関に委任されていようとも福岡市長には、下級機関の財務会計関係事務に関する指揮監督責任がある。また、福岡市長の裁量行為であると主張されようとも、今回の名簿提供という行政行為は裁量権の逸脱・濫用に当たり、違法な行政行為となる。
監査委員会との質疑応答
■監査委員A 請求人は本件公金支出が、憲法違反、地方自治法、個人情報保護法や福岡市個人情報保護条例違反により公金支出の損壊賠償を請求されているのですね。
■脇請求人 はい。
■監査委員A 地方分権一括法はどのように関係していますか。
■脇請求人 地方と国とは対等の立場にあるとの立場が地方分権一括法の趣旨なのに、上意下達のように、福岡市が個人情報の名簿を提供しているのは、一括法の趣旨に違反する。
■監査委員B 今日新たに事実証明書を提供されましたが、その趣旨は何ですか。
■脇請求人 2016年7月7日福岡市監査結果「日本の建国をお祝いする集いへの市長出席等について」10ページに記された監査委員の判断基準は「当該行為が当該地方公共団体の事務と認められない場合は、地方公共団体の長が行った行為について要した経費を当該地方公共団体がその公金から支出することが許されないと判断される」と解釈できることを証明できるからです。
2.監査請求人 大塚龍昇 の意見陳述(資料参照)
監査対象部局(区政課)関係職員の意見陳述の立会
担当職員3人が出席し、そのうち一人が陳述した。聞きとり難かったが、大要は次のとおり。
■担当職員 名簿提供事務は法定受託事務です。根拠法は自衛隊法97条、自衛隊法施行令120条です。
監査委員の質問への回答は次の通りです。
■担当職員 名簿は2020年6月1日からデータを出力した。除外情報への対応も行った。A4で、区政課でブリントした。人件費は名簿作成と他の作業と区別していないので、特定できない。経費は福岡県からの補助金107,000円で賄えた。
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